設計事務所の仕事
設計事務所の仕事内容を正しくご存じの方はどれぐらいおみえになるのでしょうか？
いつもそんな疑問をもっております。
とある資格学校のテレビCMで「街の建物はすべて建築士が設計している」というセリフを聞かれたことがおありでしょうか？
このセリフは細かい事を抜きにすれば合っています。
建物を設計する時には必ず建築士が関与しています。
建築士法（建築士の法律）にもしっかりと建築士の業務として記載されており、
建築士しか設計できない様に定められています。
（規模・用途によっては建築士でなくても設計できますが）
設計事務所は法的には“建築士事務所”と表現します。
建築士事務所を設立しないと、他人から報酬を得て業務してはいけない事になっています。
ですので工務店さんやハウスメーカーさんも設計事務所を構えているか、外部の設計事務所に業務を委託していることになります。
では、設計事務所の業務とは何でしょう？
・敷地などの調査、役所調査業務
・基本設計業務
・実施設計業務
・申請書等提出業務
・工事監理業務
まとめるとこれぐらいとなります。
【調査業務】
敷地内外に高低差がないか？障害物などはないか？などの調査や、役所にて都市計画に関する内容を確認し、建築できる建物や上限値を調査してきます。
【基本設計業務】
お施主様のご要望を伺ってプランを作成する業務で、一番夢の膨らむ楽しい業務です。
【実施設計業務】
仕様書や詳細図面を作成し、お施主様の意図や法的な規制・工事方法などを図面化する業務。
工務店さんやハウスメーカーさんなどといった、施行者が決まっている場合はさほど細かい実施設計図は描く事はありません。なぜなら仕様があらかじめ決まっているからです。
【申請書等提出業務】
着工前に確認申請書というものを提出し、法的に問題がないか審査を受ける業務。
確認申請書は本来お施主様が役所に提出する書類ですが、専門知識が必要となりますので建築士が「代理人」となってお施主様の代わりに申請書を提出する業務です。
【工事監理業務】
工事監理は上記の確認申請にて許可を得た図面通りに工事が進んでいるか？
ちゃんと指針・基準通りに工事が進められているか？などをチェックする業務です。
独立した設計事務所と、工務店さんなどの下請けの設計事務所との大きな違いは
【実施設計業務】になります。
施工業者が決まっていないので、事細かに仕様書や図面を描き“どの施工業者”が見ても見積もれる図面を作ることが責務となります。
住宅の場合一人で複数社の工務店などとやり取りすると、プランは違うし仕様・金額も違うので比べるのが大変です。
しかしながら独立した設計事務所で作成した図面であれば、同じ内容・仕様でどの業者でも見積もる事ができるので競争原理が働き、お値打ちにできる場合があります。
